久保田稔製陶所

伝統の地で、新たな挑戦を。窯元「久右エ門」の始まり

焼き物の里として400年もの歴史を誇る、佐賀県有田町。その伝統が息づく地で、有限会社久保田稔製陶所は1965年に創業者・久保田稔によって設立されました。先代は「人々の嗜好やライフスタイルがもの凄いスピードで変わっていく現代、これまで通りの焼物を作っているだけでは、いつの日か存在が薄れてしまうかもしれない」と感じており、有田焼の材料に拘らず、材料の研究開発を始めていました。伝統を重んじながらも、セラミック素材が持つ特有の機能性に着目し、これまでの有田焼にはなかったユニークな製品を次々と開発。中でもセラミックフィルターは1980年代から販売しているロングセラー商品で、日本国内だけでなく世界からも注目を浴びるようになりました。私たちは『久右エ門』の名のもと、先代の「新たなことにチャレンジする姿勢」を引き継ぎ、これからも世の中が求める商品開発を続けていきます。

いつもの一杯を、特別な一杯に。セラミックフィルターのおいしさの秘訣

『久右エ門』のこだわりを最も体感いただけるのが、ブランドを代表する「セラミックコーヒーフィルター」です。一見するとシンプルな焼き物ですが、その内部には無数の微細な孔（あな）が開いています。この多孔質な構造こそが、おいしさの秘訣です。 コーヒーを淹れれば、豆が持つ本来の香りや味わいを引き出します。水をまろやかにする性質があるので、コーヒー以外にも、緑茶、紅茶、焼酎などにお使いいただけます。また、セラミックフィルターは洗って何度でも使えるため、環境に優しいことも魅力の一つです。日々の暮らしの中で、いつもの一杯が特別な一杯に変わる。そんな小さな感動をお届けするため、私たちは素材の持つ力を最大限に引き出す繊細なものづくりに徹しています。

技術の探求が、未来を創る。有田焼の可能性を世界へ

ユニークな製品を生み出す背景には、創業以来培ってきた確かな技術力があります。原料となる土の選定から、製品の特性を決定づける調合、ミリ単位の精度が求められる成形、そして窯の温度や時間を緻密に管理する焼成まで、すべての工程で一切の妥協を許しません。 この徹底したこだわりと技術の探求が、素材の機能性を最大限に活かした製品開発を可能にしています。私たちは、美しさと機能性で暮らしを豊かにする商品を創り出しているのです。有田焼の伝統を受け継ぎながら、現代のライフスタイルに新しい価値を提案する。それが私たちの使命です。『久右エ門』ブランドを携え、有田焼の新たな魅力を日本全国、そして世界中へと発信していくこと。これからも私たちは、伝統と革新の両輪で、焼き物の未来を切り拓いていきます。