五島手延うどん協同組合

コシが強く滑らか。伝統製法が育む唯一無二の食感

五島手延うどんの魅力は、なんといってもその独特の食感にあります。口に含んだ瞬間に感じる、つるりとした滑らかな喉ごし。そして、噛みしめるほどに伝わる、しっかりとしたコシの強さ。この唯一無二の食感は、古くからこの地に伝わる伝統の製法によって育まれます。 その製法の命ともいえるのが、何度も繰り返される「熟成」の工程です。職人たちは、その日の天候や湿度を見極めながら、生地を丹念に手作業で引き延ばし、そして熟成させるという工程を幾度となく繰り返します。この手間暇を惜しまない丁寧な手仕事と、じっくりと時間をかける熟成こそが、五島うどん特有の豊かな風味と力強いコシを引き出すのです。機械では決して真似のできない、人の手と時間が織りなす伝統の技。それが、最高品質と評される五島手延うどんの原点です。

島の宝「椿油」と潮風が織りなす、豊かな風味

五島手延うどんの味わいを語る上で欠かせないのが、五島列島の豊かな自然の恵みです。その代表格が、島の宝ともいえる「椿油」。麺を細く延ばしていく工程では、生地の乾燥を防ぐために油を塗布しますが、私たちは五島列島特産の食用椿油を100%使用しています。オレイン酸を豊富に含み酸化しにくい椿油は、うどんにほのかな香りを添え、風味を一層豊かなものにしてくれます。 そしてもう一つが、五島の「潮風」です。秋から春にかけて島に吹くミネラルを含んだ潮風は、延ばした麺をゆっくりと自然乾燥させるのに最適な環境をもたらします。この自然乾燥の工程こそが、五島手延うどんの強いコシを生み出す最後の決め手となるのです。まさに、五島の豊かな風土そのものが、この美味しさを育てていると言えるでしょう。

島の誇りを、未来へ。五島うどんの文化を繋ぐ協同組合の想い

私たち五島手延うどん協同組合は、昭和59年に島内の製造業者51名が集まり、この伝統の味を守り、発展させていくために設立されました。以来、私たちは品質の維持向上に努めるとともに、五島うどんの魅力を島内外へ発信し続けています。 その拠点となっているのが、平成10年にオープンした「五島うどんの里」です。ここは、うどんの製造販売だけでなく、食事処や物産館を備え、地場産業と観光の振興を担う場所でもあります。平成19年には「五島手延うどん」が地域団体商標として登録され、そのブランド価値は法的に保護されるものとなりました。私たちがお客様にお届けする一杯のうどんには、この島の歴史と文化、そして未来へと繋いでいこうとする作り手たちの熱い想いが込められています。